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透き通った声だが声が小さくて聞き取りにくい。

「そうでしたか。それよりも朝食をご一緒しませんか？少しお話したいこともありますし。」

「ああ、それじゃ今いくからちょっと待っててくれ。」

俺の顔が少し困っていたのに気付いたのだろう。
ナハトがうまく話をそらしてくれた。
正直耳のことは話しづらいからな……。

荷物はすべてデータ上のもののため、特に準備することもなく宿を出た。


「悪い、待たせた。」

「いえ、大丈夫ですよ。では、行きましょうか。」

黒いフードをかぶり、ナハトが歩き出す。
その後ろにはまだ俺を警戒している様子のクライネ。
その二人を追うように俺も歩き出す。

「何を食べます？」

「んー。俺はなんでもいいぞ。適当に決めちゃってくれ。」

「そうですか。クライネ、どうします？」

「……お米。」

「和食ですか。では、ここにしましょうか。」

目の前にあるのはファミレス。

「ここは和食がおいしいんですよ。」

ファミレスなんてどこも変わらないだろうと思ったが特に文句も言わず入っていく。