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「ここです。」

店を出た後ナハトが立ち止まったのは宿屋の近くにいる厳めしい顔の戦士の前だった。

「では、今川さん。この人に話しかけてください。」

「ああ。」

なぜ、俺が話しかけなければならないのか疑問に思ったがとりあえず言われたとおりに話しかける。

「あの……。」

「む。よく来た。勇猛なる戦士よ。わが名はゲイン。実は最近この街の近くで何やら邪悪な気配がするのだ……。勇猛なる戦士よ。どうかこの気配の元凶を見てきてはくれぬか？」

戦士……ゲインが話し終えると同時に俺の目の前にメッセージが表示される。

『クエストを依頼されました。
クエスト名：邪悪な気配？
依頼主：ゲイン
　　　　　実行しますか？　YES or NO』

ナハトが目線でこちらを見てくる。
俺は少し躊躇した後YESに手を伸ばした。

「すまない。勇猛なる戦士よ。君に任せたぞ。」

その言葉を言い終えるとゲインは役目は終わったとでも言うように沈黙する。

「そのクエストは僕たちが受けたいクエストの前準備なんです。」

「前準備？」

「……そのクエスト……クリアしないと……受けられない……。」

「先ほどお話したクエストを受けるためにはいくつかクエストをクリアしなければならないのです。今のクエストはその受けなければならないクエストの一つ、というわけです。」

「へぇ……。」