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「この奥に居るボスモンスターのスキルです！ですが、前に来たときはボスが見えないうちからスキルが来ることはなかったのですが……。」

「……集中……来る。」

クライネが言い終わると同時に洞窟の奥からソイツが姿を現す。
その雄叫びとは反して、現れたのは170センチくらいの俺と大して変わらない人型のモンスター。
若干肌が浅黒いのが気にはなるが人、と言われればそのまま信じ込んでしまいそうなほどだ。
手には巨大な斧。
体は鎧で覆われていて、武器や鎧は錆びた鉄の色をしている。

「……これがボスモンスター？」

拍子抜け、というのが正直な感想だ。
まさかボスがこれほど小さいとは……。

「っ！？今川さん！」

気が緩んだその一瞬に。

「え……？」

俺はどうしようもないほど隙だらけだった。

金属音、金属音、金属音。

三回響いたそれは俺の眼前で刹那の閃光となって視界に映った。

「未来…………！！」

いつもより大きな声で俺に叫ぶクライネに慌てて刀を構える。

「……全く、油断しすぎですよ。」