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【リレー小説】ルイーダの酒場 3


《ドラクエの世界でみんなで冒険しよう!》


ドラクエの世界観でオリジナル二次創作をリレー小説で書いてみませんか?
ドラクエの世界観なら、どんな物語でもOKです。
ただしドラクエの世界を楽しむためにも脱線しすぎにはご注意ください。


《ルール》
*ドラクエ好きなら、誰でも参加OK
*初めましてなどの挨拶はなし
*基本は三人称(場合によっては一人称もあり)
*前の人の文章を読んで話を繋げる
*順番は決まってないので、被った場合は先に書いた人の文章を優先する。またはうまいこと繋げる。


【登場人物】
ムト(盗賊→勇者)
パーム(マジシャン→魔法戦士)
レミファ(遊び人→賢者)
イワハシ(商人→武闘家)
カズマ(忍者)

ヤス(魔物系YouTuber)
ヒロ(魔物系YouTuber)
サチ(ヤスの妻、ヒロの母)

トロル(テヘペロ)
はぐれ爆弾メタル岩(クランチ)
キメラ(つばさ)
ベビーパンサー(はやて)

カネミツ(ダーマ神殿の大神官)
トムじいさん(ピチピチギャル)


http://otona-novel.jp/viewstory/index/37171/?guid=ON

61 「光邦様専用口に、私がちょいと失礼しただけで、このねんね二人は昇天したわ」

「なんか、わけわかんねえよ」とテヘペロの様子を見る。

テヘペロはうずくまり、頭と肛門を押さえている。なにかショッキングなものを見て、激しいトラウマが全身に巡ってきているのだろうか?

「どうしたの、テヘペロぉ」とレミファが背中をさする。

テヘペロは光邦を指さし、「ウガガガガ(あ、あいつおっかねぇ……)」

レミファはこうとらえた。

「なんか、あの2匹のトロルが自分よりもデカくて強そうだから、驚いたみたい」

「いや、まだレベルが低いんだろ。山のふもとでガンガン敵倒して、レベル上げようぜ」とムトは、今来た道を引き返す。

戦闘中──


レベル75のレミファに対し勇者ムトはレベル67と、順調に上げていく。

テヘペロもグングン、力をつけてきた。


だが、こことはまったく無関係の光邦はレベルなんてものは、なかった。

「なんなのあんた達、敵を倒したら、どこからともなく、♪テレレッテッテッテーて、音がして……しかもなんにも見てないのに、勝手に呪文覚えてるよね。なに?」

ムトは、こう答えた。
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「敵を倒せば倒すほど、経験値というものが自然とたまっていって、俺達のレベルが上がっていくんだ。
 呪文も、レベルによって上から勝手に舞い降りてくるんだ。
 お前みたいに何も知らないヤツからしたら、無駄にうろついて、無駄に戦っているだけにしか見えないだろうけど」

「ふーん。まぁ、何事も経験が物をいうってことは、地球もこの世界も一緒ってことね」

 光邦は、何となく納得した。


63 ザクザクと元来た道を進む。
そのうちに、光邦がぼやく。

「ねぇ、いつまで戻るのよ? もう、昼過ぎよ。♪テレレッテッテッテー」

ムトは、自分の耳を疑った。
なぜ、レベルアップしないはずの光邦から効果音が?
と思ったが、きっと、時間差で自分がレベルアップしたのだろうと思うことにした。

それからも、レベルアップに勤しむムト一行。
♪テレレッテッテッテーも、もう何度聞いただろう。
これなら先程は、手も足も出なかったトロルでも勝てるぞとムトは自信を深めた。

「ねぇったら、ねぇ。そろそろ日が暮れるんじゃない? 疲れたわよ。♪テレレッテッテッテー」

今度は、時間差なんかじゃない。
その証拠に、しばらくモンスターを倒してなかった。

怪しんだムトは、光邦に尋ねる。

「おい。なんで、お前からレベルアップの音がするんだ?」

すると、光邦は勝ち誇ったように胸をそらして言った。

「私だけ鳴らないのが悔しいから、携帯電話のタイマー音にしてみたのよ。5分ごとに鳴るように設定してるわ」と。
64 「携帯電話って、そんなことにも使えるのかよ」

携帯電話にタイマー機能があることを知って驚くムトに、光邦も驚いた。

「え? これは、基本中の基本でしょ? あなたもこれくらい持ちなさいよ。遠くにいる人と会話ができて、とっても便利なのよ」

ムトは、光邦の携帯電話を手に取ってみた。

「うーん、でもなぁ。わりに重いし、かさばるし……要らねーかな」

「そう。ならもう、返してちょうだい。私には大切なの」

「や、もうちょっと見せてくれよ」

光邦は、画面に指紋をつけまくるムトから携帯電話を取り戻そうとした。
その横から、レミファが覗きこむ。

「やっぱ、電話を持ち歩くなんて不便なんじゃなぁい? だってお喋りをしたくなったら、会いにいけばいいんだもん。行きたい土地を思い浮かべて、ルーラって唱えれば……」

♪パラリラルラ

魔法の作動音が聞こえた次の瞬間、ムト、レミファ、テヘペロ、それから、ムトの握る携帯電話をつかんでいた光邦も、どこかに引き寄せられるように勢いよく飛びあがった。
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「のうわぁーーっ!!」

「いやーん、呪文唱えちゃったよぉーっ!!」

「うがうがぁー!?
(オイラ達、どこへ行っちゃうんだぁー!?)」

「え、ちょっと待って、
 なんで私達とばされてるのぉー!?」


せっかく山のふもとまで来たのに。

四人が飛ばされた先は、

なんと――


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 ――山の頂上にある、魔物の城の目の前だった。

「何でだ!? ルーラって、一度来た場所にしか行けないハズだぞ。それなのに、何で行ったことのない魔物の城に!?」

 わけワカメなムトがパニクると、テヘペロが申し訳なさそうにして口を開いた。


「うがうが、うがうがうが……」
(実はオイラ、あの洞窟(ムト達が一番最初に行った洞窟)に配属される前、ここの城の魔物だったんだ。でもオイラ、失敗ばかりで……。それで、上司からあの洞窟への出向を命じられたんだ。
 ずっと黙っててゴメンじょー。恥ずかしくて、知らないふりをしていて。ちなみに、ふもとで戦ったトロル二体は、たぶん新入社員だじょ)


 ……というわけらしい。


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「そうだったんだぁ。テヘペロが居たことがあったから、ルーラで行けちゃったんだね。テヘペロ、そんな悄気ないで。テヘペロのおかげで、登る手間が省けたんだから、良かったよ!」

「うがうがぁ~(レミファぁ~)」


 お気楽に喜ぶレミファに、テヘペロは涙する。けど、ムトは怒りを露にした。


「良くねぇよ! 登ってる途中でレアお宝があったかもなのに!」

「まぁまぁムト。お宝は、王様を救ってからゆっくり探していこうよ」

「……何がなんだか知らないけれど、つまりここに王様がいるってことね」


 この世界に現れてからずーっとわけワカメだった光邦も、今置かれている状況を、だいぶ受け入れられるようになった。


68
「たくっ……いきなりここまで来ちまうなんて。まぁ、レベルは十分に上げておいたからいいけど。せめて、体力全回復と、ここまでの記録をしておきたかったな」


 ムトがぼやきながら何気なく周りを見渡すと、
 城の入り口の隅の方に、何故か神父が立っていた。


「なんだ、あの神父は。城から逃げてきた囚われ者か何かか?」


 とりあえず話しかけてみた。すると――


「おおっ! この城からは禍々しい邪気を感じます! 私はここから先は行くことが出来ませんが、せめて皆様のお役に立てましょう。
 勇敢な者達に、光あれ!」

「え、え? うわっ!」


 なんと、ムト達の体力が回復した!


「これまでの旅を、冒険の書に記録しますか?」

「あ、はい」


 神父は淡々と、体力全回復と、旅の記録までしてくれた。


「俺、時々思う。たった一人で、こんな危険なとこにいるこういう人こそ、最強なんじゃないかと」

「うん、レミファもそう思う」

「うがうが(確かに)」

「それに……この神父もいい男ねぇ~」

 危険を察知したムト達は、すぐさま光邦を神父から引き離し、とっとと城の中へと入っていった。
69 暗黒に包まれた城の中は、道が3方向に分かれ、どの先にも不気味なモンスターの気配が立ちこめていた。

「ねぇ、テヘペロ。王様のいる場所、わかりそう?」

「うが(ちょっと待ってね)」

レミファに尋ねられたテヘペロは、うがうがと鼻を鳴らしてみた。
そして、左の道を指さした。

「うが(たぶん、こっち)」

「すごーい、テヘペロ」

レミファにほめられたテヘペロは、照れ照れと喜んだ。

「うがうがうーが♪(オイラ、方向音痴2級なんだ。だから、自分の信じる方の逆を行けば正解なんだじょ)」

「よし」

納得して歩きだすムトの肩を、光邦はワシッとつかんだ。

「よし。じゃないでしょ?
今の会話、よくわからなかったけど、どこかおかしくなかった?」

「大丈夫だって。俺は、テヘペロを信じる」

「うが~(ムト~)」

「仕方ないわね」

左の道を少し行くと、扉にぶち当たった。

がしかし、扉には鍵がかかっている!
持っている鍵では、開けられなかった。
70 「残念。鍵をさがそう」

すぐさま諦めようとするムトに光邦は驚いて、口を開いた。

「この扉、木でできてるっぽいから、ちょっと蹴り入れたら壊せるんじゃないの?」

光邦の言うとおり、腐りかけてモロモロしている木製の扉は、勇者でなくとも簡単に破れそうだった。

「そっ、そんな粗っぽいこと、できるわけねぇだろ」

ムトは慌てて光邦の提案を拒み、扉に背を向ける。

「私、あなたたちが民家でタンスを開けたりツボを割ったりしてるの目撃してるけど……」

「あれはいいんだ!」

スタスタと歩きだすムトの背中を見つめ、光邦は頭を軽く振った。

「なにが常識で、なにが非常識なのか、わからなくなってきたわ」

腑に落ちないながらも、ムトたちについて歩く光邦。
が、突然、なにかを感じとって小さく叫んだ。

「あうっ!」

「どうした?」

不思議に思ったムトたちが、光邦に注目する。

「なにかしら?
……なんか今、私のとてもとてもとーっても大切な人がエマージェンシーな予感がするわ」

「パームたちか?」

「ん~、わからないわ。宇宙のどこかにいる私のスイートダーリンよ。ちょっと失礼して、祈らせてもらうわ」
レスが上限に達しています。
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