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女剣士のお悩み事情

第2章 追想

3日目は、武術について書かれた本を片手に、親父の木刀を振り回した。

これが最後の本だ。

1・2冊目以外は全て、この国の言葉ではなかった。が、読んだ後はあったので少女は読めるようだ。


室内では危険だから、部屋の窓が見える外、例の木の下で練習する。



縦に、横に、ななめに、下から。

思いっきり降り下ろし、息がきれてきた。


窓のほうが気になるが、誰もいない。まだ彼女は目を覚まさない。


そろそろ心配になってきた。呼吸はしているのに、一向に起きない。

よくよく考えたら、木の上から他人の部屋を覗いていた自分があきらかな不審者だと思えた。

男の俺でも気持ち悪いし、まして女の子なら一瞬で嫌われてもおかしくない。

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