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女剣士のお悩み事情

第2章 追想

目が腫れていると認識できるほど泣いた後、2枚目の写真を見た。

ずいぶん古い。それに、見たことがない場所だ。

草原、そして湖、風車が見える場所で、2人の少年少女が肩を並ばせていた。

折角美しい場所で撮っているのに、2人は浮かない顔をしている。少年のほうは、背丈に合わない立派な剣を持って、少女は薄汚れた衣服を掴んでいる。

2人の手首には、鎖の跡のような傷がついていて、衣服はぼろぼろ、血のような染みもついていた。


目がいくのは、どちらも茶髪という点。それにこの2人、さっき・・・・



ランプの火がぼうっと揺れ、部屋が揺れているような錯覚に囚われた。



結局、今日も起きなかった。
少女を眺めながら、俺は自分の机の前の椅子に座った。

ランプも傍に置き、準備完了。


ベットには少女を寝かせている為、俺は数日間、椅子で寝ている。布団も少女に被せているから、ただ座ったまま眠るしかない。

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