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女剣士のお悩み事情

第2章 追想

「・・・どうかしたの?」

ようやく落ち着いて、下腹部を押さえながら起き上がり、呆然としている彼の顔を覗きこんだ。


「ラルド?」

目の焦点が定まっていない。

いつもの彼の藍色の瞳が、ゆらゆらと揺らいでいる。


ただならぬ雰囲気がして、すぐ水桶で湯船の湯をすくった。


「・・・・っあ!!熱っ!!何してんだ・・・・ってイアラ・・・」


一杯だけじゃ足りないと思い、二杯目をぶっかけようと構えていたせいか、ラルドはおっかなそうに、こちらを見ていた。

「あら、戻ったの?」

「おかげ様で」

まだ恐ろしいものを見るかのように私を睨んできているが、そんなに熱かったのだろうか?


普通だと思ったのに。





「・・・痛かったか?」


「死ぬかと思ったわ。もっとゆっくり事を進めてほしかったわね」

私の我が儘だったとはいえ、素直になるには有り余る激痛だった。


彼は申し訳なさそうに謝ることしか出来ないようだ。







「・・・・やっぱり私よね」


「?」

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