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女剣士のお悩み事情

第3章 死んだ王子

「おーい、イアラー」

ノックが響いたあと、つかつかと幼馴染みは部屋に上がりこんできた。

伝説の剣で素振りしていた私は、剣を鞘に納め振り向いた。


「・・・・本当に尊敬するよ。今日のくじ引きはひやひやした」

「あら、誉め言葉として受け取っておくわ。・・・・で?どうだった?」


かいた汗を拭きながら言うと、彼は真剣な面持ちになった。

「小瓶についてさりげなく聞いてみたが・・・リファンは昨日のことすら覚えていないようだったな。他の奴等は首をかしげていたり、聞いてなかったりだ」


「うーん・・・・どうしよう・・・」



「とにかく早く持ち主を見つけることが第一だな。また野宿になるし、そのとき改めて聞いてみるさ」


それだけ言って、彼は扉から出ていこうとした。

と、そのとき。


「イアラ、ちょっといい?」

ノックもせずに入ってきたのは、ルビーだった。彼は私たちを見たとき、からかうように、にやりと笑った。

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