女剣士のお悩み事情
第3章 死んだ王子
「・・・やっと・・・」
俺が一枚の写真を眺めながらそう呟くと、写真の中の人物は悲しげに微笑んだ。
助けたいんだ。君ともう一度話したい。会いたい。そして・・・謝りたい。
たとえ、君がもう存在しないとしても。
「・・・・手助けしてやろうか?」
突如聞こえた声に導かれるまま、部屋の入り口を睨んだ。
「・・・暇。だから手伝ってやる」
声の主は杖を俺に向けた。
それをかわすように、俺は言った。
「残念だが俺は悪魔崇拝なんて興味がなくてな。すまねぇが出ていってくれねーか?気分悪くて・・・・」
「・・・・生きてるぞ、この女」
いつの間にか、そいつの手には俺が持っていた写真があった。
「なっ!?おい、返せ・・・」
俺が手を伸ばしたとき、そいつは一つの飴を差し出してきた。
「んだよこれ・・・?」
飴玉は白い粉でコーティングされている。
「意味ならすぐ分かるさ。食べても損はねーよ」
怪しい笑みを見せ、そいつは去っていった。ひらひらと写真が舞って、床に落ちた。
その人物と目があった。
(メイ・・・・)
手のひらにのった飴玉は、不思議な雰囲気を帯びていた。
あの魔法使いに影響されたわけではないが・・・・それでも・・・・。
(もう どうにでもなれ!)
口に放り込み、噛み砕き、飲み込んだ。
普通に美味しかった。