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女剣士のお悩み事情

第3章 死んだ王子

「・・・どうしたの?」


「・・・メイ・・・」


(・・・・メイ?)

誰かの名前?


「ルビー、メイって?」

「君が好きなんだ。愛しくて仕方ねぇ」

「・・・・・」

「もっと傍にいたかった。もっと近くにいたかった。君に愛されたかった」

彼は私の目を見つめながら言う。

私を『メイ』さんと勘違いしてる・・・・?



「メイ」


彼は優しく私にキスをした。

そしてその後、ディープキスに続けた。


「ん・・・ふぁ・・・・」

噛みつくように、怯えるように・・・・・・。


「・・・ルビー、早く目を覚まして。私は貴方の想い人じゃな・・・」

話も聞かず、ルビーは私の首元に顔をうずめた。


「やっ・・・」


たまに覗ける彼の瞳は、酷くうつろ。
そこに、いつもの彼の風格はない。

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