
1ぺーじすとーりーず
第8章 世界の敵
『お前何て大っ嫌いだ。』
違う大好きだ。
『俺の前から消えろ。』
嫌だ行かないで。
『てめぇの顔なんて二度と見たくない。』
ずっと側で見詰めていたい。
『早く行けよ!』
ごめんなさい。ごめんなさい。
お前のためなんだ。
行かないで欲しいよ。
でも俺じゃ駄目なんだ。
俺もお前も男だから。
お前の運命の相手は俺じゃない。
俺はお前しか愛せないけど、このままじゃお前は幸せになれないから。
顔を背けた、俺は弱い。
お前を守れない。これから敵になるであろう世界から。
「そんな事泣きながら言わないでよ。馬鹿。」
俺は弱い。
高校卒業の春俺たちは世界を敵にした。
