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殺シテヤル

第3章 第二章

かのんに口枷をはめた相手は、
そのまま背後からかのんの躰を抱き締める。

―――な、何?

かのんは訳が分からないまま、
躰を硬直させて動けない。

抱き締める腕と、
背中にあたる胸板で、
相手が男だと分かる。

男が、かのんを抱きながら公園の木々で覆われた草むらに入っていく。


―――やだっ!!


ようやく自分の状況を理解したのか、
かのんは腕をほどこうともがく。

しかし、男の力に叶うはずもなく、
かのんの躰は一本の木に押し付けられる。

背後から首筋に、男の吐息がかかる。

「んっ…」

くすぐったさに、身をよじる。
男はその反応を見て昂ったのか、
そのまま首筋に舌を這わせ出した。

「んふぅっ…!!」

くすぐったい。
かのんの感想はこれだけだった。



最初のうちは。

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