テキストサイズ

殺シテヤル

第4章 悪戯

「かのん?大丈夫なの?」

ふいに台所から母親が声を掛けてきた。

「な、何が?」

「何がって…あんた夕べ拓磨に抱っこされて帰ってきたのよ?」

「お兄ちゃんが!?」

かのんには3つ上の兄がいる。
木下拓磨。
大学生の拓磨は、経理士を目指して、
アルバイトをしながら勉強に励んでいる。

―――お兄ちゃんが…

まさか…あの現場を見られたりは…
かのんの中に不安がよぎる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ