テキストサイズ

あいどる君に恋煩い

第3章 ファン




聞き覚えのある声に頭をあげて声の主を見ると…



「よっ!」

「おっ、緒方敬太……⁈⁈⁈」

「仮にもアイドルに向かって呼び捨てはないでしょー、姫?(笑) あ、とりあえず相席さしてー!今店混んでてさぁ…」






今私の目の前にはあの緒方敬太がいる。
毎週会いに行ってるアイドルの緒方敬太が


てかふつーに相席しちゃってるんだけど⁈⁈






「あ、あの… どうしたんですか?」



とりあえずこんなことを言うのが精一杯。




「え、いや、たまたまここの店入って席無くて困ってたら君がかなり目立ってたから………(笑) てか何やってたの⁇」

「あ、なるほど… いや、祐斗くんにファンレター書こうと思ってたんだけど何書けばいいか悩んでて…ってかなんでこんなことあなたに言わなきゃなんないんですかっ‼」



思わずふつーに答えてしまい顔が真っ赤になる。

迂闊にも相手がアイドルだってことを忘れるとこだった…





「ふーん。祐斗にねぇ。つかバレーボールとか書いてあるから日記かと思ったわ(笑)」

「ちょっ、勝手に読まないでくださいっっ!」



かなりニヤニヤして緒方敬太はこっちを見てくる。




「え、あ、ごめんごめん(笑)」

「それにしてもいいんですか⁇ 仮にもアイドルの貴方がファンなんかと相席して」

「大丈夫、大丈夫!俺たちまだそこまで有名じゃないし(笑) それに俺たち同い年だから友達にしか見えないって(笑)」



そりゃそうかもしれないけど…
そうはいってもアイドルはアイドル訳で顔はかなりイケメンだしスタイルいいし目立ってるんだけど…






ん?てか今…




「今、同い年って言いました⁇」


「え、うん。だって同い年なんでしょ?初めて会った時に言ってたじゃん!」

「あー…そっか、そうでしたね!」

「あ、まさか忘れた⁈ ひどいなー俺ちゃんと覚えてたのにー」





緒方敬太はそうブツブツ言いながら飲み物を飲んでいる。




別に忘れてたわけじゃなかった。
初めて会った時に言った切りそんな話題その後のハイタッチでも出したことないし、まず記憶に残ってることに驚いた。



…し、若干嬉しかった。



アイドルに覚えてもらえるなんてファンとしてこんなに嬉しいことはないんじゃないかな

ストーリーメニュー

TOPTOPへ