あいどる君に恋煩い
第7章 訪問客
放課後、帰宅部の私は今日はバイトだった。
ちなみに麻希乃はあー見えて体育会系のバスケ部…のマネだからそれなりに忙しい。
…毎週日曜日に遊びに行っててバスケ部の方は大丈夫なの?
なんて愚問はするまい(笑)
とにかく、
私が働いてるのはあのカフェの近くにある書店。
大手の系列だし、どこにでもある普通の本屋さん。
人並みに本は読むけど、別に本が好きで本屋でバイトしてるわけじゃなくてたまたまバイト募集してたから応募したら採用されただけ。
出勤して割り当てを見ると今日は品出しだった。
この作家の本、なんでこんなにいつも分厚いのよーっ
とか
なんだか難しそうな本だな…
こんなん読んだら頭爆発決定だわ
とか色々考えながら黙々と作業をしていた。
すると……
「あのーすみません」
後ろからお客さんに呼びかけられた。
「はいっ」
返事をして後ろを振り向いた時
私とそのお客さん達は同時に声をあげた。
「「「あ。」」」
そこにいたのは
私がよく知ってる…
でも少し遠い存在。
高木圭輔と中条裕太だった。