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ふたりのカタチ

第15章 ありがとう

夕方にはもう家に帰れることになり
かずちゃんのお母さんは「和也に怒られるから」とタクシーを呼び、一緒に帰ってくれた

家に着くと、温かい生姜湯を入れてくれた
母親に看病されているような感覚になり、
目頭が熱くなってきた

「おばさん、私…」
「どうしたの?」
「嬉しくって…ありがとうございます」
「うふふ。こちらこそ」

「少し寝なさい。しばらくいるから…」
かずちゃんのお母さんはそう言って
ベッドに横になった私に布団をかけ
胸の辺りにポンポンと優しく手を置いた

布団にもぐり、リビングにいてくれるかずちゃんのお母さんの気配を感じ
とても安心していられた

9時過ぎにかずちゃんからメールがあり
「1時間くらいで帰るね」とあった

10時になり、玄関のチャイムがなった
玄関からは息を切らしたような「あやねえは?」という声が聞こえた



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