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ライフ オブ ザ マウンテン

第3章 4

僕が快楽を味わえる場所を叩かなければ、容赦なく思いっきり頭を叩かれた。それだけではない、二つ目は母の自慰をまざまざと見せられることだ。母は父が外出している時にそれを僕に見せる。それも大きな喘ぎ声で、僕を刺激させようとしているのか、誰かに見てほしいのか、定かではないがこの家の隠れたルールはそんなものだった。青年になってからの日課としては母が仕事から帰るとまず初めに父と二人で僕に暴力を振るうこと、それも酷いのは歳を経っていくにつれ、段々と過激になっていったことだ。例えば裸にされ、ロープで手足を縛り、その後、骨が折れない程度(といってもアザができる程の痛さ)に痛めつけられる。そうした後は、ストレスが発散されたのか機嫌が良くなり二人で仲良く外出した。また、母だけが家にいると性的な虐待が行われるようになった。いつものように手足を縛られ、その上に僕のものを掴んで淫らな事をした。それを父がいないといつもやっていたものだから、そのうち得意気になって僕を部屋から呼び出し、まるで女王様のご命令と言わんばかり
に従わなければならなかった。それは今までの苦痛に比べたら別に何でもない。でも後に悲しい出来事が起こった。父が捨て犬をひろってきた時の事だ。僕はとても嬉しくその犬に抱きつき、一生懸命に可愛がった。所がその時だ。生後間もない子犬を父が銃で…銃で撃ち殺した。幸いなのは即死だったことだと思う。それでも、命をそんな風に扱っていいのだろうか、人間だけが他の動物を思い通りに出来ると思っているのだろうか。「お前がどれだけ悲しむか試してみたんだ」父は笑いながらそう言った。その時、僕の中で何かが変わった。憎しみ、いや、憎しみという表現だけでは物足りない、言葉は分からないけど、とにかく僕の心を悪魔に売り渡したのだ。僕を知りたいという人が仮にいたとしたら、恐らくこういう質問をするのではないか。そうゆうことが何十年か続いた後で何故耐えられたのか?いや、耐えるどころか、幼少時に精神衰弱の兆候が見え始め、それがますます酷くなったのは想像に難くないはずだ。でも病院に行くことも許されなかったし、何も…そう、僕には何もなかった、また出来ることもなかった。教育を受けていなかったから字は書けなかったし、教養
もない。楽しいことも、嬉しいことも、あるのは堕落した人生、この家庭に産まれた自身の末路、ただそれだけだった。

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