歪みの世界
第2章 失踪
「…兄貴」
呼べば、笑う兄貴が浮かぶ。俺は、兄貴の笑顔が好きだ。
だから、好きでもない勉強を頑張った。良い点採れば、兄貴は自分の様に喜んでくれたからだ。
親に誉められるよりも、兄貴の一言が何よりも俺は嬉しい。
でも、兄貴が居ないなら頑張る意味すら無くなった。
「な、何か…悲しい事でも、あ、あったのですか、お兄さん?」
振り向くとオドオドとした浅黒い肌の少年が隣に座っている。
見た目から、12歳くらいだ。
「まぁ、ね。大切な人をなくしたからね」
大切。
今更ながら気付いた。俺は、兄貴が好きなんだ。
「な、亡くなったんですか…」
少年の言葉に俺は首を横に振った。
「いや、消えたんだ」
「し…失踪ですか」
どうせ言った所で、夢物語だと思われるのがオチだからあえて言った。笑われたって構わない。
少年は、俺の話を笑うどころか真剣に聞いてくれるものだから苦笑が漏れた。
「つ、詰まり、貴方のお兄さんは…存在自体をけ、消されたんですね」
頷くと少年は謝りだした。
「す、済みません。多分、ぼ、僕のいとこ所為です」
「えーっと、意味が分からない」
「そ、そうですよね。詰まり、こういう事です」
そう言うと、少年はマジックで宙に丸い円を書き出した。すると、丸い円が光だした。
俺は夢を見ているのだろうか。
「あ、貴方のお兄さんは、間違いなく、こ、此処に連れられたと思います」
呼べば、笑う兄貴が浮かぶ。俺は、兄貴の笑顔が好きだ。
だから、好きでもない勉強を頑張った。良い点採れば、兄貴は自分の様に喜んでくれたからだ。
親に誉められるよりも、兄貴の一言が何よりも俺は嬉しい。
でも、兄貴が居ないなら頑張る意味すら無くなった。
「な、何か…悲しい事でも、あ、あったのですか、お兄さん?」
振り向くとオドオドとした浅黒い肌の少年が隣に座っている。
見た目から、12歳くらいだ。
「まぁ、ね。大切な人をなくしたからね」
大切。
今更ながら気付いた。俺は、兄貴が好きなんだ。
「な、亡くなったんですか…」
少年の言葉に俺は首を横に振った。
「いや、消えたんだ」
「し…失踪ですか」
どうせ言った所で、夢物語だと思われるのがオチだからあえて言った。笑われたって構わない。
少年は、俺の話を笑うどころか真剣に聞いてくれるものだから苦笑が漏れた。
「つ、詰まり、貴方のお兄さんは…存在自体をけ、消されたんですね」
頷くと少年は謝りだした。
「す、済みません。多分、ぼ、僕のいとこ所為です」
「えーっと、意味が分からない」
「そ、そうですよね。詰まり、こういう事です」
そう言うと、少年はマジックで宙に丸い円を書き出した。すると、丸い円が光だした。
俺は夢を見ているのだろうか。
「あ、貴方のお兄さんは、間違いなく、こ、此処に連れられたと思います」