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歪みの世界

第3章 異世界

「それも、そうですねー。僕自身、トーマ君が普通に話すから気付きませんでしたー」
「え、じゃあ、俺…日本語で話しているわけじゃ無いの?」
恐る恐る聞いてみた。
「そうですねー」
アッサリと認められた。
「…俺が此の世界に連れられた理由って、本当にポプリのミスなのか?」
「えぇ、そうですー。本来は、トーマ君の右隣の部屋の人をお連れする予定でしたー」
そう言いながら、地図をチョークで軽く叩くと、写真の様なものが現れた。
「…エヴァン」
言いたい気持ちは分からなくもない。悪意しか感じない。
「おや、お気に召さなかったですかー?包容力抜群で、豊富な身体、優しそうな笑顔。まさに、この女性ですよねー」
「可笑しいだろ!!」
「俺、ポプリのセンス疑うかも」
そこに写っていたのは『山田さん』だ。
見た目は、40歳前後でぽっちゃりとした体型だ。
因みに、俺の友達の母親である。仮に、山田さんと契約したらどうなっていたのだろうか。
「まさか、ポプリって熟女好きだったんだな」
決して、人のタイプにあれこれ言うつもりは無い。

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