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歪みの世界

第3章 異世界

「エレン?フェイじゃないの?」
俺がそう言うと、フェイは苦笑する。
「あぁ、フェイが本当の名前だからそっちで呼んでよ」
「へぇ…じゃあ、俺の事もアーサーで良いよ。エレンが気に入るとは思わなかったですよ」
ニヤニヤ笑うアーサーにフェイは苦笑する。
「あのさ、此の世界の事教えてくれないかな?」
「勿論」
そう言うと、フェイはマジックを取り出して長方形を書き出し地図が出来上がった。
「……」
何も言えなかった。
約3時間、此の世界の事や国の事を説明してくれた。
「内容はだいたい分かった」
「エレンの説明長いから分からなくなるのに、トモキは凄いな」
アーサーは俺の頭を軽く撫でた。撫でられるなら、兄貴が良いな。
強いて言うなら、兄貴を撫でたい。
「失礼だな。本当だったら半日掛けても足りないくらいなんだけどな」
「…マジ」
思わず、引いてしまった。
「じゃあ、何で兄貴は此の世界に連れられたのかな?」
「それは、僕の憶測だけど良い?」
俺は頷いた。連れられた理由なんて俺には分からない。
憶測でも良いから、理由が欲しい。

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