無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「と、いうこと…」

「ねえ、続きあるんでしょ？」


今は由奈との会話
ここまで由奈に事情を話していた

電話越しに。


「あるよ」

「教えてよ」

「まだ聞くの？」

「当たり前じゃん
高橋に何があったか気になるよ」

「…話したくないって言ったら？」


ここから先を話せば
間違えなく由奈は傷つく

そして二度と俺のところには
戻ってこない……

だからいいたくなかった


「なんでよ？教えてよ？」

「無理……」

「なんでよ！」

「なぁ！由奈言ったよな？
彼氏でもないくせにって……
その言葉そっくりそのまま返す」

「それとこれとは別でしょ？！」

「彼女でもないセクに！
指図するなよ！」


由奈、本当はこんなこと
いいたくなかった……

だけどあの日のこというくらいだったら
こうした方がいいんだ

由奈のこと、好きだから
こうするしかないんだ……

あの悪夢はもう二度と見たくない

れんは過去の女
いや、俺の女とか言えないのかもな…


「……もういい
切るね」

受話器の向こうで
由奈は悲しそうに呟いた

今にも泣きそうな声で


「由奈、ごめっ…」


プープープー


由奈、ごめん…

由奈との電話がきれたのに
あの日のこと、思い出してしまう……