テキストサイズ

真っ赤な家庭

第5章 松本 圍



「林さんっ、林さーん!」



我を忘れ滑るように階段をかけ降りて林さんの元へ行ったら、




「!」




既に意識が無かったが心臓が動いている、まだ生きている。


よかった。


でも安心出来ない。頭からの出血が激しいのと下手に動かすことが出来ない。



雨が血を流してゆく


…"ビリっ!
ビリビリっ!"



スーツを脱ぎ自分のシャツを破り出血を押さえては頭を動かないように固定した頃に丁度救急車が来た。





救急隊に内容を話している間人が群がる。



「林さーん、林さーん!」



人混みの奥から血相を変えて中村が飛び付いて来そうな勢いだったので、全身で止めた。



「何するんですか?」


「待て!
出血が酷いんだ!
今ここで刺激を与えると危ない!」



「一体何があったんですか?」



ここでは詳しいことが話せないのと、一課の奴らに呼ばれ、中村と一緒に取調室へ向かった。




まるで空が全てを目撃したかのように雷が鳴り響き、槍のように体を突き刺すような雨が降り注いでいた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ