真っ赤な家庭
第5章 松本 圍
何だか重い空気が流れいたので、彼女がその場しのぎで明るくしようとしたのか、たわいも無い話しをし初めた。
「そういえばね、今日うちで働いている娘を自分の娘と同じ名前だからって、使名した珍しいお客様がいてね、その娘が行ったら本当の父親でお互い嫌な空気が流れたから、フォローするの大変だったわ。」
「は?」
「いい娘なんだけど、父親に見付かったから辞めてしまうかもしれないしのよ。」
「今、何て言った?」
「だからね、見付かったから辞めて…」
「そこじゃなくて!」
「えっ?」
「同じ名前の娘を選んで同一人物だったんだろ。」
「そうよ。
あっ! 例の事件…」
「そうだよ!
わかったよ、流石だな。」
「でも、前から会ってたんでしょ。」
「その答えは知ってるんだ。」
「まさか!
前に行ってたこと?」
「そうだよ。」
「物語だけの話しでは無いのね。」
現実は小説より凄い場合もある。
林さんと加代子の過去を調べよう。