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ベッドの上だけの彼女

第1章 セフレの関係

厨房で、皿を洗ってる賢太の背中に声をかけた。


「賢太、お客さんが、呼んでるんだけど。」

賢太は、手をとめて、蛇口をひねった。

「は?俺を?」

訝しげな表情をしながらも、厨房から出て、入り口に目をやると、
賢太は、目を見張って、その女の子にかけつけた。

「彩未!!」


彩未.......。やっぱり、イヤな予感はあたった。

あの女の子は、賢太の、彼女ーー。

初めて、見た。

そりゃ、そうだ。彼女は、ここにもいままで、来たことはなかった。

なんでこなかったかというと、賢太が拒んでいたから。
彼女だけではなく、たとえば連れだとか、知り合いだとか。自分が働いてる姿を見られたくないとかいって。


そういうひと、たまにいるよなって、その時はそれで、納得して、終わった。

だけど、そんな彼女がなんでいきなり?

私が、ぼーっとしてると、背中を急に誰かにポンッとされた。


びくっと、肩がはねた。

「先輩。」


ぽんっとした相手は先輩だった。

「あれ、なになにぃ?」


楽しそうに私に、きいてきた。その視線の先は、やっぱり、賢太とその女の子。

「彼女みたいです。」

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