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適当詩

第8章 8

「歯車なワシとお前の笑いジワ」

あのなぁ
わしなぁ
歯車でもええと思てんねん
せやねん
わし、歯車やねん
ちっちゃい部品やねん
くるくる回るだけの
ちっちゃい部品やねん

せやねん
替えなんか
いくらでもきく

ワシがおらんようなっても
替わりはいるんやで

せやねん


でもな

歯車は大事な部品やで

前の人がもろた大切なもんを

次の人に大切に伝えるねん

一つ欠けたら大きい仕掛けは動けへん

なあ

ワシ

すごい歯車になりたいねん
長い間、使われて

疲れきった歯車は

使えんようになって

そのうち新しいものに

替えられる

そら仕方ない

せやけどな

古い歯車には

それなりのええとこも

あるんやで

新しい歯車は

そら丈夫で

よう回る

せやけどな

次第に角がとれて

隣の歯車に

馴染んだ歯車は

そら上手に

無駄なく

優しく

大切もんを

伝えるんやで

なあ

だから

ワシ

すごい歯車に

なりたいんや


だから

なあ

ワシ

歯車でも

ええと思ってるねん


もう一本、ええやろか


終わり。

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