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適当詩

第8章 8

「ある夜のバスに」

小悪魔にそそのかされた

その晩に

終バスに隠れて

終着駅をやり過ごし

手に入れた回送バス

俺のバス

運転手も気づいてないね


見慣れた停留所を

すっ飛ばして

走る夜の町

一番後ろの席で

ふんぞり返って

車庫までの道を

楽しんでいる

町を抜けて

丘を登って

走り続ける

俺のバス


やあ

頂上だ

次、止まります

お客さん、降りてください

なんだ、運転手さん

気付いていたのね

ここ

車庫じゃないもの

ヘッドライトを消して

頂上で一服

見下ろせば

町の灯

見上げれば

星の灯

何にも言わない

運転手に

感謝


ちくしょう、小悪魔め

騙しやがったな



終わり。





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