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適当詩

第8章 8

「線路道にて」

たまに歩いた線路道
綿毛にくしゃみの
猫が行く
道路に残った
丸四角
つられて
思わず
けんけんぱー

右足
右足
左足

あれま
アガリはどこかいな

鈍行列車が
のらりくらりと
過ぎていく
お次の駅はどこかいな

雲が呑気に流れてく
お前の行き先どこかいな

そういう
俺の
行き先は
いったい
どこだったかいな

振り向けば
角の煙草屋の婆さんが
三途の川の船こいで
うつらつら

失礼な話と言うけれど
俺もあんたも
年を食う

いつか渡るなら
ああして渡りたいもんだ
と屁の字口

猫が足元を
バカタレ
と鳴いて去る

あ~あ

どこのクソガキだ
あんなに遠くに
アガリの四角を
描きやがったのは

本気で跳ばなきゃ
届きやしねぇぞ。



終わり。

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