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疑惑?ホモセクシャル

第6章 捜索

「……どういう人って訊かれても……。
そうだな…個性的ですね。はい。」

山越先輩は少し困ったように答えた。

「…で、高田がどうしたんですか…?」

「……。」

これは…
答えるべきなのかな?

けど……
説明しなきゃ何も始まらないよね。

そう考えた私は、山越先輩に一部始終を説明した。
山越先輩はずっと黙って聞いていた。



「………という訳なんです………。」

私が一通り説明すると、山越先輩は小声で呟いた。

「アイツ……とうとう行動に移したか………。」

私にはとてもはっきり、その言葉は聞こえた。

「とうとうって……先輩何か知ってるんですか!?」


「知ってるも何も………。
高田は、色々と俺に話してくれますから……。

前、聞いたんですよ。高田から。
『俺、斎藤の事が好きかもしれない!』ってね……。」


山越先輩は静かに語り出した。


「俺は当然びっくりしましたよ。
まさか自分の近くに同性愛者がいるなんて、思ってもみなかったので…。

『いつか襲っちゃおうかな~♪
斎藤可愛いし☆』
なんて事を俺に言ってきたんですよ。
確か1週間前だったと思います。

けど、まさか本当に、やってしまうとは…………。


…俺の友達はこの吹奏楽部には斎藤と高田しかいないんです…。

もしあの二人がくっつけば……

俺は……孤独になるんですよね………。

それが、何より怖い、かな………。」

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