ヤクザの孫でも純粋です。
第2章 #1
「結女
疲れてない?」
「大丈夫」
駅を出てタクシーに乗っている私達。
お母さんは長時間の移動で疲れている
私を心配して声をかける。
お母さんは鞄からアルミホイルに包まれた
おにぎりを私に差し出す。
「朝あまり食べていなかったから
お腹空いてるでしょ?」
「うん」
おにぎりを受け取り、一口一口味わい
食べる。
おにぎりの具は私の大好きなタラコ。
「結女
ついたよ」
「ん」
私は急いでおにぎりを口に入れ
タクシーを降りる。
会計を済ませたお母さんも降りると
タクシー運転手は扉を閉め動き出す。
「柑那!結女ちゃん!」
振り向くとお母さんに似た若い女性。
お母さんのお母さん。
網島 憂希(アミシマ ユウキ)さん。
私のおばあちゃんなんだけど、見た目が
20代ぐらいに見えるからおばあちゃん
て言いにくい。
でも本当の年齢は40歳て言ってたかな。
お母さんは20代だけど顔が童顔だから
10代に見られる。