ヤクザの孫でも純粋です。
第3章 #2
「ほんなら…遠慮なく。
名前と歳、聞いてもええか?」
名前と歳?
やっぱり新手のナンパ?
「ナンパちゃうけの?
ただ、その…気に入っただけや。」
心を読まれた…。
初対面、しかも会って間もない人に
言うのはちょっと嫌だが、仕方ない。
「網島 結女です。15歳だけど
もうすぐ16になりますが…。」
「え。」
はい?…。
何故驚く。
私は貴方の質問に答えたのに
男の人は私の名前と年齢を聞くなり
驚いている。
「君。15、6ていう歳の子、
ちゃうやろ?」
「本当ですけど。」
私老けて見えるのかな?
「そうなんや。19ぐらいの子に
見えたからえらい驚いたわ。
あ、えっと、俺は朝比奈 泉や。
結女と同い年やわ。」
「え…。嘘。」
あり得ない。だってモデルみたいに
足長くて、綺麗な顔立ちだから
もっと私より年上と思っていた人が
まさか、同い年。
「お互い様やな?」
「なにが?」
「今、結女も俺の事、年上思ったやろ?
やから、お互い様や」
「確かに、そうだね」