ヤクザの孫でも純粋です。
第1章 PROLOGUE
「よし。」
鏡の前で確認が終わり、鞄を持ち
部屋を出る。
「結女、おはよ。」
「お母さん、おはよ。」
リビングには朝食の用意をしてくれている
お母さんの姿。
「さ、ご飯食べて?」
「うんっ」
椅子に座って朝食を食べ始める。
「今日で結女の制服姿も見納めね…」
「泣くのは式で泣いてよね?
お母さん涙脆いんだから」
お母さんはふふって笑って潤んだ目を
ティッシュで拭う。
「お母さん。ごちそうさま
行ってきます。」
「いってらっしゃい。
お母さんもばっちり決めて
結女の卒業式に参加するからね」
「わかってる。遅れないでよ?」