ヤクザの孫でも純粋です。
第5章 #4
「機嫌よおしとる、だ?
こっちは勉強で忙しんやッ!」
―バシッ
また叩かれた。
「ん?なんで渚が勉強しとるんや?
学校始まるんは明後日やろ?」
「泉、お前あほか?
学校始まるんは明日やで」
「…」
顔から血の気が引き、散らかっている
机の上に置いてある鞄を取り出し、
鞄から一枚の紙切れを出す。
―3月25日
9時00分 東高校 入学式
携帯を開いてディスプレイを確認する。
―3月24日
PM 19:35
「なんで渚、言うてくれんかったん
やあああああああッ!!」
俺はばたばた鞄から本とノートを取り出す。
俺の通う高校はエスカレーター式で
中学校卒業したら中学で習ったまとめの
宿題が出る。
それをすっぽかして遊びまくって
一も手をつけてない。
「あかんッ!これやる前に結女に
連絡せなッ!」
「結女?なんや、お前もう女
出来たんか?」
「女ちゃうわ。」
そう言いながらメールBOXを開いて
結女にメールを送る。