ヤクザの孫でも純粋です。
第5章 #4
「ほんならお互い徹夜やな」
『私は今からすれば徹夜には
ならないもん。』
「嫌味かいな。まぁ、勉強したら
あかんから電話きろか?」
『そ、だね。じゃあ、また明日ね』
「あぁ。また明日な」
そう言うと電話を切る。
電話を切ったら寂しいな。
もっと声が聞きたくて、堪らん。
俺、結女にはまりすぎやわ。
ベッドを立ち上がり、本とノート、筆記用具を
持ち部屋を出る。
向かった先は、勿論渚の部屋。
「渚ー…。」
「なんや?」
襖を開けると、綺麗に片付いている
机に向かって勉強をする渚。
「宿題…「嫌やぞ。」」
宿題教えてといおうとしたら、
渚から嫌の一言で掻き消された。
「渚のけちッ!もうええわ。
自分でやるッ!」
襖を閉めて自分の部屋へと戻り、
出来ない勉強を始める。
徹夜して勉強をしたのは言うまでもない。
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