ヤクザの孫でも純粋です。
第5章 #4
―7時45分
「もう、こんな時間かいな…。」
結果あのあと、勉強せずに寝た。
無い知識絞っても無理だという事や。
ベッドから体を起こして部屋を出る。
昨日風呂入らずに寝てしもうたから
汚いわ。
風呂の湯を沸かし始め、服を脱いで
風呂に入る。
「はぁあああッ…。
幸せやわー…。」
ほかほかと心地が良いくらいの温度で
うっとりとする。
さっさと体、頭も洗い流し、風呂から出る。
着替える服は勿論、新しい制服ッ!
紺を基調としたブレザーに白いカッターシャツ、
黒いズボンに黒いネクタイ。
靴はスニーカー。
制服を身につけ部屋へと戻り、携帯を
開く。
―8時45分
「あかあああああああんッ!!!!!」
どおりで渚の姿が見えない筈だ。
式は9時から始まる為、自転車で
飛ばせば間に合う筈だ。
ばたばたと玄関に向かい靴を履いて
自転車に乗り、高校へと向かう。
桜並木の道を通り過ぎ、結女の家の前も
通り過ぎて自転車を必死に漕ぐ。