ヤクザの孫でも純粋です。
第5章 #4
なんでこんな時、結女が最前列で
俺がいっちゃん後ろなんやねんッ!
心の中で、ぶつぶつ文句を言っていると
入学式は終わり、教室へと帰る。
教室へと着くなり、結女の姿を探すが
見当たらない。
結女を探しに行こうと思いきや
タイミング良く先生が入ってくる。
「朝比奈、席つけー」
「嫌やッ!俺急いでんねんッ!
葵離せーッ!かっちゃんも
行かせえやッ!」
葵に腕を掴まれ、かっちゃんこと
勝山先生は無視して、ちゃっちゃかと
HRを始める。
「知っとる人もいると思うが
新しい子がこのクラスに入ってくる
網島ー」
結女の名字で固まり、扉を見る。
扉から出てきたのは、結女や。
「今日から、皆とお世話になります。
網島 結女です。」
ほんの少しだけ頬を赤く染めて自己紹介
をする結女の姿にクラス全員の男子は
釘付け。
「ほな、網島は空いてる席に
ついてな」
「はい」
結女は俺の隣。
奇跡やあああああああッ!!!
結女は俺の隣に座り、俺だけに笑顔を
見せる。