ヤクザの孫でも純粋です。
第6章 #5
「よし。泉、終わった…。」
日誌を閉じて泉を見ると
机に突っ伏して腕を枕に規則正しく
呼吸をして寝てる泉。
「疲れてるの、かな…。」
泉の茶色の髪を触る。
「ん…。」
泉の目がうっすらと開いて
私は手を引っ込める。
「泉、終わったから帰ろ?」
「んー…」
眼を擦り立ち上がる。
「最近、授業の時も寝てるけど…
寝不足?」
「渚のゲームに付きおうてから
寝かしてくれへんねん。
あ。渚は兄ちゃんやで」
「そうなんだ。でもちゃんと
睡眠は取らないとだめだよ?」
「わかってる」
先に私の鞄と日誌を持ち、教室を出て
欠伸をする泉。
戸締まりをして教室を出ようとする。