ヤクザの孫でも純粋です。
第6章 #5
「ひゃっ…。」
「危なッ!」
机の足に躓き倒れそうになる。
私は目をギュッと力強く瞑る。
―ガタンッ!
痛々しい音がしても私に痛みは
感じられず、目を恐る恐る開くと
泉が私の下敷きになってくれていた。
「泉ッ!ごめんッ!」
「ってて…。俺は大丈夫やけど
結女は怪我してないか?」
「大丈夫…。」
「良かった。」
私の下敷きになっている泉は
私の頬を触り笑顔になる。
「あ…ごめん。重たいよね」
私は泉の上から離れようとするが
泉は私の肩を抱く。
「もう少しこのままで居させてや」
泉は私を抱きしめる。