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Forevar thing

第3章 シオンの花

自信作、という言葉に惹かれ、トロイは自分の部屋のドアに手をかけた。ドキドキする。
ガチャッ……
ーギィィ
扉が開き、トロイの部屋が見えた。廊下と同じ、白い壁に白い大理石の床。床には、黒いラグが敷いてあった。インテリアの中で一際目立つのは、黒い支柱のついた、
白いカバーのベッドだった。そして、大きな窓。
窓からは、ラスボーン邸のプールが見渡せる。奥には
池やテニスコートも見えた。
他にも、クローゼットや机、新型のパソコン、テレビ、小さめのシャワールーム、高そうなオーディオ、沢山の本が詰まった本棚、暖炉、ソファー、そして……
また、扉。
「あの扉は何?」
トロイが聞くと、ジェイクもシエルも知らない、と言い、ジェイクが扉を開けに行った。
「うわーっ!すごいぞ!2人ともこっち来いよ」
ジェイクは扉の向こうで大歓声を上げている。
トロイが扉の向こう側に行くと、目に入ったのは……
ミニ映画館だった。
「凄い……」
びっくりしすぎて、声が出ない。
「あら、映画館も見たのね。すごいでしょ?トロイって映画好きでしょ。喜ぶと思ったのよ。気に入った?」
いつの間にか、トロイの後ろにはシエナが居た。
「はい!気に入りました!ホントに何て言ったらいいのか……。ありがとうございます」
トロイが言うと、それが合図だったかのようにジーク叔父さんが部屋に入ってきた。
「ああ、トロイか!久しぶりだな。凄くいい部屋だな。
全くシエナもやり過ぎだぞ。やり過ぎは禁物だ」
優しく妻に言うジークに、トロイは尊敬が高まるのを感じた。本当にこの人は面倒見が良い。

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