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とある隠れ変態の物語

第4章 お昼寝は子猫に囲まれて

口々に尚輝の名を呼び、視覚聴覚共々かき乱す兄弟。
これがどちらとも確信犯っぽいから余計にタチが悪い。



「……侑斗にぃ……」

「ん?どうした。さみしいのか」

「うるさい」



自分のおでこにあてられていた侑斗の右手に指先を絡ませてきゅ、と握る。
熱のせいでうるむ瞳をふいとそらしながらも指先は絡み合ったままで。



「変わらないな、昔から。……体調崩したりする度にこうしてくるの」



先程までのふざけた口調は引っ込めて、どこか懐かしげな、優しい表情。



「そういうとこが可愛いんだよ」

「…………ふん」



くすくす笑う彼は本当に楽しそうで。
それは何処かほっこりする光景だった。


ふふ、さっきのタチの悪さ何処行っちゃったんだろね。

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