とある隠れ変態の物語
第4章 お昼寝は子猫に囲まれて
「侑里、そんなことして尚輝に風邪が移ったらどうすんだ」
「……侑斗にぃがまともなこと言うなんて、梅雨、去年より長引くかも」
「それは地味に嫌だ……いや、あのな、お前日に日にお兄ちゃんの扱い雑になってるぞ」
「侑斗にぃの大事な扱い方なんて知らない。寝るから。お休み。……尚輝お兄ちゃん」
「ふふ、はいはい」
抱き枕になって侑里くんといちゃいち……
げふん、安心させて寝つかせてあげなきゃ、ね?
甘えんぼな風邪ひきさんには早く治ってもらいたいし。
一応ダブルベッドだから二人で横になっても十二分に広い。だから
「侑斗さんも寝ません?お昼寝タイムということで」
侑里に布団を掛け直してから自分もベッドに横になる。
かなり乗り気で後ろから抱きついてきた侑斗さんにも、布団をおすそ分け。
かすかにするグリーンティーの香りが鼻先をくすぐる。背中から伝わる侑斗の暖かさは、尚輝の気持ちを上気させた。
み、密着度!!
やばいってば……。侑里くんは既に寝ちゃって寝顔可愛いし侑斗さんはいい香りするし、って、
寝るの早くない!?
「もう寝ちゃった……」
「瞬間なんだよ侑里は。可愛くて可愛くて」
「あはは、確かに」
いやあのね、可愛いし可愛いし可愛いんだけど、オレとしては侑斗さんのハグがたまらないんですよ、えぇ。
しかも耳元でしゃべられるとくすぐったくて。