とある隠れ変態の物語
第6章 エンジェル羽恋と初デート
でもね。
メディアなんかに、こんな可愛くて無邪気な子を取られたくない。
万が一、羽恋からこの無邪気さが無くなっちゃったら……
やばい悲しすぎて泣くよオレ。
黒い笑顔を浮かべる羽恋はエンジェルじゃなくてダークエンジェルだと思う。全然そんなのは羽恋じゃない。
「こっちの抹茶ケーキも美味しいよ。ほら、あーん」
「あ、ぁ……あーん」
恥ずかしそうに戸惑う様子に意地悪な笑みを浮かべながら、このお店の完全オリジナルレシピでもあり、名物でもある抹茶ケーキを口に運んであげる。
「っ、うまっ……!!」
「でしょ?ここの抹茶ケーキは最高に美味しいんだよ」
「んむ、最高だ!!オレ実は抹茶苦手なんだけど、これのおかげで好きになったぞ」
きらきら、きらきら。
瞳にたくさんの星をきらめかせて、どんどんオレを虜にしていく。
ただ可愛いだけじゃない。
それが分かってるから、余計にだよね。
「こんなにうまいもんが奢りとか、申し訳無さすぎて……」
「いいの。オレが奢りたくて奢ってるんだから」
「んー、でも、でも何かしたい」
ほっぺ、ぷくってしてて。やばい触りたい。
ピンクに色付くほっぺをさわさわしながら思いついたことは。
うん、やっぱりオレはろくでもないね。それしか言えないよ、自分に。でも今に始まったことじゃないから、ね。ろくでなしなオレに乾杯。