とある隠れ変態の物語
第6章 エンジェル羽恋と初デート
いい笑顔の店員さんに見送られて外に出る。
やっぱり恥ずかしいらしい羽恋は真っ赤になって下をむいていた。
「うー、恥ずかしい……」
「ふふ、ごめんね。無理言って。もう一回見てみたかったから、つい」
「むー……尚輝の為だ」
「え、ケーキの為の間違いでしょ?」
「意地悪言うなよな」
「ごめんごめん」
いじける羽恋をいじめ倒して、謝って。ファンが知ったらオレがいじめ倒されて地中海に沈められるよね、きっと。
結構簡単にその図が想像できるもんだから笑えない。オレまだ死にたくない。
ごめん、またそう言おうとして、固まった。
だって、かなり近くに、同じ学年の男子。羽恋を見られるわけにはいかない。
それはダメ、もしバレたら大変な事になる。