とある隠れ変態の物語
第7章 彼は万能イケメン
……じゃなくて。
じゃなくてだよ。
どうやって入り込んだか。
それをこの二人に追求しないと。何だか犯罪臭がぷんぷんする。
羽恋に引っ付いている侑斗さんをべりべり剥がしてリビングへ引きずって行く。
「ほら、侑里くんもだよ。紅茶用意するから手伝ってくれるよね」
「尚輝……目が座ってる」
「手伝いなさい」
「……はい」
「よろしい。羽恋は少し待っててね。すぐ用意するから。このお兄さん達を何とかしてから」
羽恋ちゃんとオレ達の扱いの差が激しいだのもっと優しくしろだの言う侑斗さんを、目で黙らせてにこりと笑顔を浮かべる。
もちろん、にこやかなものではないけれどね。
「さて、お二方。事情を説明してもらいましょうか?」