テキストサイズ

KURO

第2章 それは突然に







「あんたねぇ…隼人くんの彼女のつもり?いくら、可愛いからって調子に乗らないでくれる?」



パシンー…

次の瞬間、頬に痛みが走る。








…What?



えっ、何今の。





俺は、自分の頬に手を当てる。




そこからは、徐々に

じんじんと痛みが伝わってきた。





…もしかして、叩かれた?




つか、それよりも




「か、彼女だと!?」



美人さんが言ったとんでもない

発言に目が飛び出そうだった。


いくらなんでもそれは、

ありえないだろ。




「そうよ!いつも隣で偉そうじゃない!」



キッと俺を睨む。




「ちょっと待って…俺、男だよ?わかってる?」




彼女なんて、変な噂でも立てられたら

生きていけない。


非常に困る。



つか、やめろ。





「はぁ?何言ってんの。この“男装”趣味が」



「はっ!?」



思考回路が停止する。





叩かれた挙げ句に

何が男装趣味だ!?




俺は、男装もなにも

正真正銘の“男”だし。




何言っちゃってんの。バカなの?




「いい?今度、隼人くんを独り占めにしたら黙ってないんだからね」



ふんっと鼻を鳴らし、

去っていく。




「ちょっ…え?」



残された俺は、ぽつんと佇む。




なんか、すっげぇ

誤解なんですけど…。











.

ストーリーメニュー

TOPTOPへ