KURO
第2章 それは突然に
はぁ…。
こういうこと日常茶飯だし疲れる。
あの美人の先輩達は、隼人に
フィルターかかって、周りが見えてないんだな…。
そうでなきゃ、
俺を彼女だと誤解しないはずだ。
いくらなんでも隣にいるからって
その『隣=彼女』という方程式が
成り立つ、自体おかしい。
友達とかいう方向は、
考えられねぇのかよ…。
俺は、イライラしながら
購買でメロンパンを買い終えて、
隼人のいる屋上に重い足取りで向かう。
――…。
「ほら、メロンパン」
屋上で呑気に
横になっている隼人目掛けて
メロンパンを投げる。
「おぉ、雑だな…。でもさんきゅー」
体を起こし、袋を
さっそく開ける隼人。
その間、俺は、空を眺める。
すると、
「おい、遥。その頬どうした?」
気づいたら、いつの間に
隼人が隣にきて俺の頬に手を当てていた。
「はっ?」
「ここの右頬、赤くなってる…。誰にやられた!?言え」
隼人は、先程と全く別人のように人相を変えて
怖い顔で言い放つ。
ムカッ。知らないくせに。
「別になんともない」
そう言いながら
俺の頬に手を当ててる隼人の手をはらった。
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