KURO
第2章 それは突然に
それに、1ヶ月も費やして
結構二人で楽しむ気なんだな…。
結婚記念日なんだし、
祝ってあげないと。
「それは良かったね。じゃあ、俺とクロの分まで楽しんできて」
少し寂しいけど、仕方ないことだし
心配させないように笑顔でそう言った。
「あーもう、なんて可愛いこと言うの!!さすが私の娘」
お母さんは、ぎゅっと
俺に抱きついた。
「娘じゃなくて息子だろ…しっかりしてくれ」
てか、可愛くねぇし…。
お母さんの冗談には、さすがの俺でも
呆れる。
「彼氏ができたら、紹介するのよ?」
「はぁ!?彼氏じゃなくて彼女だろ!もうふざけすぎだから!」
「はるちゃん、反抗期…?」
お母さんは、そう言って
明日の支度とやらで準備が忙しくらしく
子供のようにスキップしながら
どこかに消えた。
相変わらずのボケっぷりに
つっこむのも一苦労。
でも明日から1ヶ月いないと考えると
寂しいような…。
あっ、
で、でも俺にはクロがいるし大丈夫!
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