KURO
第2章 それは突然に
すぐにこの部屋から脱け出して
警察に通報するつもりだった。
それが、呆気なく
勘づいていたとはな…。
「はるのことなら、何でも知ってるよー」
奴は、頑丈に外れないように縛り終えて
普通にベットに腰かけて言った。
「…ストーカー発言きもい」
と、俺は呟くように言って、
なんとか、両手に
巻きついているリードを外そうと頑張った。
けれど、いっこうに
ほどくことができない。
「ストーカーじゃないよ?はるってば、俺たちは、もう家族じゃん!」
ゾワッー
今の発言に鳥肌がたった。
このままだったら
埒が明かない。
まず、話で解決させよう。
「なぁ…100歩譲ってお前がクロだって信じよう。じゃあ、なぜ猫が人間になったって説明できるか?」
疑問をぶつけた。
もし、俺が納得するような理由じゃないと
信じられん。
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