KURO
第2章 それは突然に
「だって人間になったら、はるとあんなことやこんなことできるじゃん?初めて会った時からずっと思っていて、毎日毎日願っていたら、いつの間にか人間になれるようになっていたんだ!不思議だよね」
「……」
なにそれ。
俺は、身の凍る理由を聞いて、
呆然とし、返す言葉を失った。
「はる?ちゃんと聞いてる?」
俺の目の前で
手を振る自称クロ。
ヤバイ…。
俺、本当
頭おかしくなりそう…。
急に全裸の美形男が現れて
俺が飼っている猫の『クロ』と言い出して
変なこと言うし、
…本当ワケがわかんねぇ。
そんな簡単に猫が
人間になれるのか?
いやいや、そんなはずは絶対ない。
ファンタジーなんかじゃないんだぞ?
俺は、今まさに
心ここにあらず状態。
茫然自失。
「あぁもう、ぼーっとしちゃって可愛いな!!俺の息子を早く突っ込んで、もっと乱れるはるの顔みたい♪♪」
…ん?
今、不適切な言葉が聞こえたぞ。
「だから、はる。…交尾しよ?」
こ・う・び…?
「あ、人間の言葉で言うと、エッチしようってこと!」
「はあああー!?」
俺は、徐々に
血がサァーと引いていく感じがした。
待て待て、超きもい。
「もっと、はると愛を深めたい」
ごめんなさい。
本当そんな笑えない冗談やめて。