テキストサイズ

KURO

第2章 それは突然に







だからそのせいで

高校生にもなって友達がゼロ。




可哀想な俺…。





「暇じゃないだと?どうせ、その猫と遊ぶだけのくせに?」



フッと鼻で笑いながら、

俺の部屋へと足を進めていく。




んだよ、あれ。




く、くそ~っ!!


完璧なめられてる。



昔から、コイツには勝てない…。






そんな俺って弱虫?






―――――
―――――――
―――――――――


…………。






「クロ~。おいでー」


「ニャー」



もう、俺の癒し。


ベットに横たわるアイツは、無視。



空気と思え。




「お前、本当その猫好きだよなー」


隼人は、指を差しながら言う。




何、当たり前なこと言ってんだよ。





「当然♪」


俺は、返事を自然と返してしまう。



猫のことになると

俺、人変わるんだよね…。







クロの首の方を優しく上へと

撫でる。



クロは、気持ちいいのか、

目を細めていた。






あー、ヤバイ。

可愛いなっ、この野郎!







そう思っていたら



「俺も触っていい?」


急に隼人がそう言い出した。






「別にいいけど…」


そう言ったら、ベットから下りて

俺の元へと来た。








「シャァーッ!!」


隼人が触ろうとした瞬間、

クロは、俺には、一度も見せたことのない

威嚇をする。







「ふっ、やっぱり嫌われてやんのー」



面白くて、つい笑ってしまう。




「っ!」


すると、俺が笑ったのを見て

何故か隼人は、顔を真っ赤に染めている。





「どうした?」


「い、いや別に…」



ふいっと、俺から視線を逸らし

口元を押さえる隼人。













.

ストーリーメニュー

TOPTOPへ