KURO
第2章 それは突然に
なんだよ、意味わかんねー。
「クロ。お前やっぱり隼人が嫌いなんだなー」
「ニャー」
クロは、即答する。
いい子だ。
「お、お前…とうとう猫と話せるようになったのか…」
隼人は、物珍しそうに言ってきた。
「バカか。話せねーよ」
話せたらどれだけ幸せか。
話せるものなら、いつまででも話していたい。
まぁ、そんなことできる超能力的なのは、
残念ながら持っていない。
クロを持ち上げて
俺からスリスリとさせる。
癖になる…。
「…俺、猫が羨ましい」
「んー?」
隼人は、俺に聞こえないくらいの声で
何か言った。
「な、何でもねぇよ!じゃ、やっぱ俺帰るわ」
スッと立ち上がり、
じゃあなと言う隼人。
「おー、帰れ帰れ。じゃあ」
俺は、適当に手を振る。
そうして、隼人は、
自分の家に帰った。
あーもう、
アイツ何しにここに来たんだ?
本当 何考えてんだか
わかんねー奴。
「おークロ。やっと二人になれたなー」
微笑んで、クロの頭を撫でる。
―――………。
.